デザイナーズ レポート 森豪男

西目屋村の製材所

数日前にアキファニチャーで完成したオーダーメイドのテーブル。素材は「うだいかんば」。
うだいかんばはぼくの最も好きな堅木です。品格をおびたバーントシエナ色、そして光沢ある木目にはシャープ
と柔らかさが共存しています。
かつて弘前市の西、西目屋村に弘西木材という製材会社がありました。主に楽器用材を生産していました。
20年程前、ぼくのうだいかんば好きを知り、青森、北海道産の原木、直径が60センチ程のものを挽き、人工乾燥を
かけておいてくれるようになりました。「なかなかいいのが入ったのでいつものように挽いておきます」との電話
でした。それが「45センチ程度しか入らなくなりました」、「もう手に入らなくなりました」となりました。
この丸テーブルは弘西木材の最後の頃の板で出来ています。製材所の清廉なたたずまいと、木に命をかけていた社長さん、職人さんの笑顔を思いだします。